ムニ新作公演『ことばにない』

レズビアンの女性を中心とした

4人の女性の物語

STORY

20代後半を迎える朝美、かのこ、ゆず、美緒は元高校演劇部であったことを共通点に、友人関係にある。
ある日、顧問の先生の訃報と残された草稿が発見される。「わたしはことばそれ自体になりたかった」
「欲望は見えなくされているだけだ」と書かれたそれは、完成された物語ではなく、未完成の言葉の集合体だった。
4人は残された言葉を「聞く」ことからはじめようとする。

プロポーズされたという朝美の報告に動揺するかのこ。恋人の花苗は「見えないもの」についての映画を撮る。
人生のいい時をつなぎ合わせた奇跡みたいな瞬間を待っているのだと。見えない声を聞こうとする花苗が怖くなる。
長年付き合っていた恋人のプロポーズに一抹の不安を抱く朝美。
地元にいる高齢の両親を心配するゆず。
仕事に精を出す美緒は、私の中身はからっぽなのだと語りだす。

残された言葉を聞く日々の中、起こる戦争やデモ、排除運動。
4人の人生が偶然か必然か、歯車のように動いていく。

INTRODUCTION

『ことばにない』という戯曲(演劇の脚本のことを戯曲と言います)は2019年から約3年間執筆中で、現段階で上演時間4時間程度を予定しています。なぜ3年?なぜ4時間?と思われる方も多いと思います。3年の間に、私自身も物語も変容していったため、言語化しきれない部分もありますが、できる限りを以下に書きたいと思います。


日本語で、レズビアンの女性が主人公の物語を書きたい、という思いがありました。
日本語は言語構造としてカミングアウトが成り立ちづらい構造にあるのではないかなど、セクシャリティに関して日々悶々としながら、時に楽しく一人の生活者として過ごしています。セクシャリティ、アイデンティティを含めた自分自身の生活者としてのあり方と、書き手として頭の中に溢れる言葉とが結びついてくるようになり、レズビアンの女性が主人公の物語を書きたい、と思うようになりました。
2021年に、クィアなキャラクターが出ていたり、クィアを謳う演劇を観て、落ち込んで帰ることが多かったことも一つとして背景にあります。その落ち込みはフィクションの駆動にセクシャリティが利用されることへの怒りや、周囲との価値観の違い、温度差への嫌気から来るもので、現実にもフィクションの世界にも心底うんざりしました。そんな私を励ましたのは自分自身の内側にある声と過去現在の当事者たちが残した声、今、わたしにとって必要な物語を書きたいという思いです。

見えている世界のことを描いたとしても、フィクションの世界は現実の世界とは異なるものとして立ち現れます。こうあってほしいと願う世界では、日本語でアイデンティティについて語ることも可能なのではないか。普遍という檻の中にも、虹色の檻の中にも閉じ込められる気はありません。『ことばにない』の世界に生きる人々の生き方を通して考えていただけるよう、目指しています。


最後になりましたが、上演時間4時間という時間についての話です。これは、今作で物語の中の一人一人を描くために必要な時間でした。そのため、最初から最後まで4時間という時間を通して、作品を観ていただきたく思っています。作品内容に関しての事前のアナウンスの実施や、上演途中で気分が悪くなった場合等には、途中退場していただけるよう、導線も確保いたしますので、気軽にお声掛けください。腰が痛くならないようにクッションも用意する予定です。途中休憩もございます。上演時間等に関しては詳細が決まりましたら、ムニホームページ、SNSにて細かくアナウンスしていきますので、何卒ご理解いただきますようお願いいたします。

以上長くなりましたが、6月末の作者の声としてこの場に書き留めておきます。散々なことも多いですが、自分らしくいることを歓迎してくれるコミュニティーや過去現在の人々の存在に改めて感謝しながら。

2022年6月30日 宮崎玲奈

CAST/STAFF

出演

石川朝日、浦田すみれ、黒澤多生(青年団)、田島冴香(FUKAIPRODUCE羽衣)
豊島晴香、南風盛もえ(青年団)、藤家矢麻刀、古川路(TeXi’s)、巻島みのり
ワタナベミノリ、和田華子(青年団)

スタッフ

作・演出:宮崎玲奈

空間設計:渡辺瑞帆(青年団)
舞台監督:黒澤多生(青年団)
照明:緒方稔記(黒猿)
音響デザイン:SKANK/スカンク(Nibroll)
衣装:坊薗初菜(青年団)
宣伝美術:江原未来  
制作:河野遥(ヌトミック)
制作部:青柳糸、寺前柊斗、林美月、彦坂紗里奈、渡邉結衣
演出部:安齋彩音、秋山実里、池田きくの、石井泉、伊勢広、大島康彰、加賀田玲
金指喜春(おんたま玉)、黒澤風太、佐々木明音、笹田伶、関彩葉、高橋あずさ(終のすみか)、富髙有紗、筒井野瑛
冨岡 英香、西出結、彭夏子、彦坂紗里奈、前田倫、山田朋佳、伊藤拓(青年団)
芸術総監督:平田オリザ
技術協力:中條玲(アゴラ企画)
制作協力:蜂巣もも(アゴラ企画)

TOKYO

東京公演 2022年11月3日(木・祝)-13日(日) 全12ステージ

11月11:0014:0017:00
3日(木・祝)★(前半割引対象)
4日(金)★(前半割引対象)
5日(土)★(前半割引対象)★(前半割引対象)
6日(日)
7日(月)
8日(火)休演日
9日(水)
10日(木)
11日(金)
12日(土)
13日(日)
*受付開始は開演の30分前・開場は開演の20分前
*上演時間は4時間前後(休憩込み)を予定。確定次第、ムニのHP・SNSにて告知いたします
    

■会場:こまばアゴラ劇場 http://www.komaba-agora.com
〒153-0041 目黒区駒場1-11-13
京王井の頭線「駒場東大前」駅東口より徒歩3分

■チケット料金

前半割引一般:3500円、一般:4000円、25歳以下:3500円、18歳以下:1000円

※当日券は各500円増

■チケット予約開始日

こまばアゴラ劇場支援会員:7月27日(水)正午 一般:8月3日(水)正午

■チケットお取扱先

PassMarket(一般・25歳以下)
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/029af72j8pf21.html

メール(18歳以下のみ)
件名を「ことばにない 18歳以下予約」として、①氏名(ふりがな)、②ご希望の日時、③枚数、④お電話番号をご記入の上、muni62inum@gmail.com(ムニ)までご連絡ください。ムニからのご返信をもってご予約完了とさせていただきます。

*日時指定・全席自由・整理番号付(東京公演のみ整理番号付)
*未就学児はご入場いただけません
*25歳以下・18歳以下の方は受付にて証明書をご提示ください。

*​​こまばアゴラ劇場支援会員・18歳以下のお客様は、当日受付順に整理番号付きチケットを発行いたします。一般・25歳以下のお客様は、お支払い後に整理番号付き電子チケットが発行されます。

*​​開場時刻より、こまばアゴラ劇場支援会員→一般→25歳以下→18歳以下の順にお呼び出しいたします。お呼び出し終了後の整理番号は無効となります。

KYOTO

■京都公演 2022年11月26日(土)-28日(月) 全4ステージ

11月11:0012:0014:0017:00
26日(土)
27日(日)
28日(月)
*受付開始は開演の45分前・開場は開演の30分前
*上演時間は4時間前後(休憩込み)を予定。確定次第、ムニのHP・SNSにて告知いたします

    

■会場:THEATRE E9 KYOTO https://askyoto.or.jp/e9
〒601-8013 京都府京都市南区東九条南河原町9-1
JR 京都駅 八条口から徒歩約14分
東福寺駅から徒歩7分
京都市営地下鉄 九条駅から徒歩約11分
京都市バス16、84系統「河原町東寺道」より徒歩3分
京都市バス 16,202,207,208,84,88系統「九条河原町」より徒歩6分

■チケット料金

一般:4000円、25歳以下:3500円、18歳以下:1000円

※当日券は各500円増

■チケット予約開始日

一般:8月3日(水)正午

■チケットお取扱先

THEATRE E9 KYOTO(全種)

https://askyoto.or.jp/e9/ticket/20221126

■ご来場のお客様へのお願い
ご来場の際には必ずマスクの着用をお願いいたします。
ご入場時に検温させていただきます。ご協力をお願いいたします。
公演当日、37.5度以上の熱がある方、風邪などの症状がある方、体調が優れない方は、ご来場をお控えください。

■お問い合わせ:muni62inum@gmail.com

企画制作:宮崎企画/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場

■東京公演

主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場

助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会


■京都公演

主催:宮崎企画

提携:THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都)

協力:おんたま玉、黒猿、青年団、終のすみか、TeXi’s、Nibroll、ヌトミック、FUKAIPRODUCE羽衣、プリッシマ、有限会社ブレス・チャベス事業部、(有)レトル、ロイヤルコート劇場✖新国立劇場劇作家ワークショップ


【ムニとは】
劇作家・演出家の宮崎玲奈が作品を上演する団体。日常会話とそこからはみ出る意識の流れ、演劇における虚構とリアルとの境界を探りながら創作を行う。青年団若手自主宮崎企画としても活動。過去作に『須磨浦旅行譚』『東京の一日』など。

【宮崎玲奈】

ムニ主宰 / 劇作家・演出家。1996年9月、高知県土佐市出身。明治大学文学部文学科在学中に、演劇学校無隣館に通い、2017年ムニを旗揚げ。以降全作品の作・演出を行う。見ること、演じること、について批評的な創作アプローチを続ける。複数のシーンをつなぎ合わせていく、日常会話を基調とした3場以上の空間と時間を同時進行させる演出手法で注目され、第11回せんがわ劇場演劇コンクールにて、ムニ『真昼森を抜ける』で演出家賞受賞。作劇は「小説的」とも評され、大学卒業制作の『須磨浦旅行譚』が令和元年度北海道戯曲賞最終候補。俳句、小説など他ジャンルの創作にも意欲的に取り組む。