宮崎と吉田
『本人26歳』 “I’m 26 years old”

作・演出・出演:宮崎玲奈・吉田山羊
2023年2月17日(金)-2月19日(日)全9ステージ@多摩川水道橋の下

あらすじ

昔空き地を見つけて遊びつづけた子どもの頃のように、大人になりきれない私たちは昼も夜も境なく、ただただ、だべり続けるのだった。


ー宮崎は考えている。
元気になるために演劇がしたい、そう思いました。意地悪なことを言われたくない、不用意に傷つけられたくない、ただただ、生きてたいだけやのにな、演劇がやりたいだけやのにな、って。わたしは、わたしでいたいだけなんです。ずっと、くだらないお喋りをしていたかった。他の人は、好きなことを書いても「レズビアンであることを客寄せに使っている」とか「死ぬほど傷ついて作品作ってください」とか言われないなんて、攻撃されないなんて、ズルいって思ってしまいました。そういう時、わたしはとても怒ってしまうのです。と、同時に徹底的に怒る自分のことが怖くもあります。わたしじゃないみたい、わたしどうして怒ってるんだっけって。子どもの頃からの得意技のおしゃべりを吉田と一緒にして、ただのわたしに戻りたいです。


ー吉田は考えている。
人と遊んだ帰り道は、その日話したことを思い返して反省します。「あの発言俺カッコつけたな。バレてるからな。」「笑ってくれてたけど、一瞬イラってしてたよな。つまらないこと言ったな。」「分かったテイで喋んなよバカなんだから。」など、その日の会話のアラが、公演後のダメ出しのように次々と見つかります。自分のしょうもなさに我慢できなくなる時があります。今日から変わろうと何度も決意しては、同じ数だけ同じ失敗を繰り返してきました。みんなどうやって、それに耐えてますか。

出演

作・演出・出演:宮崎玲奈、吉田山羊

当日お手伝い:阿部さん、前川さん、藤家さん

当日パンフレットの言葉

●ごあいさつ

極寒の2月に野外演劇なんて不親切過ぎるかなと心配していたのですが、こうやって興味を持っていただけて、「寒いから嫌だ」を超えてご来場いただけたことがとても嬉しいです。寒さに気を取られず集中して観劇していただけるようお芝居を頑張ります。(吉田山羊)

 

本日はご来場いただきましてありがとうございます。「本人」にとっては、『ことばにない』後編をやるぞ、と思うために必要な時間だったのですが、付き合わせてしまってすみません、という感じもあります。まずは、自分たちのために、自分たちの言葉を取り戻すためにやる、個人的な話ばっかりですみません。来てくださってありがとうございます。嬉しいです。すごく正直なことを書くと、『ことばにない』前編の上演期間と上演が終わってからの日々が超絶しんどくて、毎日死にたいと思いながら過ごした中で、友人の吉田くんに会って、「自分たちのための公演をやろうよ」ということになって、今にいたります。吉田くんがいて、友達がいて、よかったと思います。ほめられてうれしい、うれしかった、にいつまでもすがってたら、自分を見失うなって思いました。うれしいです、ありがとうございます。でも、見られるということを気にし続けてきた人生だったからこそ、わたしが、社会や直面する差別から何を受け取って、どう示すか、それだけなんだな、そこからは観ている人がどうするかなんだなって思います。どこまで伝わるの?かとか、なんのためにやってるの?とか、あると思うのですが、1人の26歳のサンプルとして、こっちの方向いくんだ〜とか、こんな人生だったんだ〜的な楽しみ方は少なくともできるかなと思っています。何より、吉田くんは一人の友人なんだけど、素敵な俳優さんなので、たくさん観て帰っていただきたいです。寒い中、本当にありがとうございます!(宮崎玲奈)


●チケットについて

作品を観に来てくださってありがとうございます。本公演は無料カンパ制をとっています。チケット制ではありません。あなたの想像力でこの演劇の価値を決めてください。