ムニ
『ムニのクリスマスホリデー!』”Muni’s Christmas Holiday 2023”

作・演出:黒澤優美、宮崎玲奈
2023年12月22日(金)-24日(日)全5ステージ@カフェムリウイ

あらすじ

『ハッピーニューメリーバースデーイヤークリスマス』作・演出:黒澤優美
12月末、イトウとヨシタはいつも通り遊んでいた。イトウがお金をおろそうとすると口座に5,000万円が!なんでもできる!(踊ったりはしません。)


『向ヶ丘遊園跡地にて』作・演出:宮崎玲奈
麻奈、セロ、かのこ、タナベ、ダンプの五人は三十代を目前にした友人同士で、麻奈とセロの住む家でクリスマスのひとときを過ごすのが毎年の恒例行事だ。今年、ダンプは来ない。それぞれのうまくいかなさを含んだ毎日が、今日の一日へ、ずっと昔の一日へとつながっていく。

出演

伊藤拓(青年団)
黒澤優美
南風盛もえ(青年団)
藤家矢麻刀
宮崎玲奈
吉田山羊

〈協力〉プリッシマ、(有)レトル、青年団

ABOUT

日本では祝日でないクリスマス。大人になれば普通に仕事で普通にプレゼントはもらえません。 そういう人達のための大人の文化祭をテーマに会場をめいっぱい飾りつけしたり、飲んだり食べたりしながら楽しめる催しをして、その場のみんなで今年を愉快な気持ちで締めくくります。具体的な内容は演劇の上演です。

異性愛規範、商業主義の蔓延した日本のクリスマスを、グリンチのように盗もうとする人の話。クリスマスとお年玉と誕生日のプレゼントを一緒にされていた人が大人になってどこからか誤送金されたお金で豪遊する話などなど。ささやかな出し物も行う予定です。

ムニとたのしいクリスマスを過ごしましょう!

COMENT

演劇の支持体は集まりである、とこれまで仮定してきました。演劇はもっと身近にわたしたちの隣にあるよね、って話をタイトルメンバーのみんなにしたことがあって、『ことばにない』という作品を終えた今、上記に示したような仮定をあたりまえに確認できる場がほしいと思いました。わたし自身も、次に進むために、そのあたり前を経験として再び実感する必要がありました。あたり前に日々台本を書いていたり、演劇のことを考えているので、いつも通りの公演になるのかもしれませんが、その場にいる人で思いっきり今年もおつかれさま!たのしも〜!って感じのイベントになったらいいなと思っています。実験したいことを実験してみる実験室なのかもしれないし、大人の文化祭なのかもしれないです。ムニのライフワークとしての演劇の集まりにぜひ参加してください。(宮崎玲奈)

当日パンフレットの言葉(宮崎玲奈)

なにも起こらない、と言われるかもしれないが、十分に起こっている話を書きたかった。
お金もない、人生もうまくいっている訳でもないが、だらだらと過ごしていた20代の時間を物語として残したいと思った。フィクションを物語をどう考えるか、書かれている言葉が甘い、ファムファタールについてのおしゃべり、朝まで句会と花見、セクシュアリティの話、くだらない時間を友人の家に集まって過ごした。フィクションとはそういう、なんてことのないところにあるものだ、と考える。自分に寛容であらねば書けないタイプのセリフもいくつかは存在する。この作品に出てくるキャラクターをいつか長編にして(また長い作品になる かもしれないが)上演できたらと思っている。

稽古期間中、特に「軽さ」について考えた。
黒澤優美はとても軽やかに演劇をつくる。「軽さ」の創出が戯曲という括りから解放するひとつの解だとしたら。わたしはどこまでこの上演の中で「軽さ」を作り出せたのだろうと。

当日パンフレットの言葉(黒澤優美)

メリークリスマス!黒澤優美です。
我々も楽しめるような楽しいクリスマスイベントをやろう!と宮崎さんに誘われて例の誤送金の事件をもとに大いにふざけて作品を書きました。誤送金事件をテレビで見た時に(なんて夢のない金の使い道なんだ…)って思ったところからこのような話になりました。

大いにふざけるということは私にとって結構大変で気を抜くとすぐ人生の暗い方へ書いている手が向かっていってしまいます。今回はそんなにそうならずに済んだのではないでしょうか。今年の出来事を取り扱うことで年の締めくくり感も出ましたし。いつかは暗いどころか人生とか全然関係ない話とか書きたいなって思います。